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インダストリー4.0が切り拓く新しいプロセスの安全

  • japan goarc
  • 5月30日
  • 読了時間: 4分

更新日:6月4日

タブレットで点検をしている作業員

紙の記録から“つながる現場”へ

ここ50年間、製造業やプラントの現場では、紙の書類やスプレッドシートが当たり前のように使われてきました。点検記録、リスク評価、安全報告など、多くの安全業務が手作業で行われてきたのです。

しかし、こうした“静的な記録”だけでは、変化し続けるリスクに十分に対応できません。危険が見落とされ、気づいた時にはすでに手遅れ…ということも。だからこそ、いま現場には「つながる作業者(コネクティッドワーカー)」と「リアルタイムのデータ」による新しい安全管理が求められています。

GOARCの上級コンサルタントであり『プロセス安全とインダストリー4.0』の共著者でもあるジム・ペトルシッチ氏はこう語ります。

ジム・ペトルシッチ氏
ジム・ペトルシッチ氏
「過去40年間で産業事故に関する保険請求は減っていません。それにもかかわらず、テクノロジーは大きく進化しています。いまこそ、紙の記録に頼るのをやめ、デジタルを活用した新しいプロセス安全を導入すべき時です」

リスクは常に変化する

リスクは毎日変わります。冬には設備が壊れやすくなり、夏には過熱の危険が増します。これに加えて、想定外の停止、センサーの故障、設計通りに動かない装置など、さまざまな異常が安全を脅かします。

たとえばアメリカ・ヒューストンでは、6週間ごとに大きな化学事故が起きていると言われています。つまり、年間に1回重大な事故が起きる可能性があるということです。

こうした現場では、人の目と判断が欠かせません。機器の状態を確認し、安全かどうかを判断するのは、現場の作業者です。そしてその作業者に、正しくフィルタリングされた情報と行動指針が提供されているかどうかが、事故防止のカギになります。


「データ」は石油よりも価値がある?

よく「データは21世紀の石油」と言われますが、まさにエネルギー産業や製造業にとって、データの活用は命を守るカギでもあります。

「気温、圧力、振動、機器の状態…。すべての条件が刻一刻と変わる中、紙の記録ではもう限界です。必要なのは、つながる仕組みと、正しい人に必要な情報が届く仕組みです」(ペトルシッチ氏)
ディープウォーター・ホライゾン事故
ディープウォーター・ホライゾン事故

たとえば2010年に起きたメキシコ湾の「ディープウォーター・ホライゾン事故」は、5兆円以上の損失を出した米史上最悪の環境災害でした。記録ミス、確認不足、安全確認の怠りなどが原因とされています。

デジタルの力で、こうした「見逃し」や「判断ミス」をなくす必要があります。





コネクティッドワーカーがつくる“見える安全”

コネクティッドワーカー(つながる作業者)とは、モバイル端末やセンサー、AIと連携し、リアルタイムに情報を受け取りながら行動できる作業者のことです。

たとえば、現場で危険な状況が発生したときに:

  • 適切な保護具(PPE)を知らせてくれる

  • 危険エリアからの避難を誘導してくれる

  • 作業者の位置を把握し、救助隊がすぐに駆けつけられる

  • ドローンが漏れや異常を検知し、作業者に通知

こうした機能が、事故の未然防止や被害の最小化につながります。


「高い投資」ではなく「将来への備え」

もちろん、これらの仕組みを整えるには初期費用がかかります。しかし、人的被害、設備の損壊、会社の信用失墜、訴訟リスクなどを考えれば、コネクティッドワーカーへの投資はむしろ“安上がり”とも言えます。

  • ムダな移動や確認が減り、生産性が向上

  • 早期対応によりトラブルが未然に防げる

  • データの共有で、誰でも正しい判断ができる

ペトルシッチ氏はこう語ります:

「現場の人が“いま何が起きているか”をリアルタイムで知り、すぐに動けること。それが最大の安全策です」

GOARCの強み:人と情報を“つなげる力”

独立調査機関ヴァーダンティクスのレポートでも、GOARCは「リアルタイムのリスク管理」と「コネクティッドワーカー機能」で高い評価を得ています。

  • 緊急対応管理: 2.4 / 3.0

  • 作業者連携: 1.9 / 3.0(13社中トップ)

  • 事故対応のワークフロー: 2.0 / 3.0

GOARCは、センサー、ウェアラブル機器、既存システムとつながり、モバイルでリアルタイムに情報を表示。必要な人に、必要な情報を届け、事故を防ぐ“つながる安全”を実現しています。


最後に ー データの“目隠し”は命取り

最後にペトルシッチ氏はこう締めくくります:

「“見えていない”ということが、一番のリスクです。GOARCは、人と情報をつなげることで、“知らなかった”をなくし、現場の安全を根本から変えていきます」

▶ 安全の未来を、GOARCとともに。


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